グループ内で歩行評価を統一・共有したことで入所中、退所後でも利用者の最適なサービス提案を実現! | 医療法人燦生会 介護老人保健施設 フルリールむかわ

〒408-0307 山梨県北杜市武川町柳澤740-1
https://fluriru.com/-
燦生会グループマネジメントリーダー/リハビリテーション課主任(理学療法士)
大西さま
フルリールむかわはどのような特徴がある施設ですか?
フルリールむかわはリハビリテーションに力を入れた老人保健施設です。山梨県内の老人保健施設では理学療法士・作業療法士(以下セラピスト)の在籍数が一番多い施設となっております。関連施設としてデイサービスが3ヵ所、特別養護老人ホームが2ヵ所、居宅介護支援事業所が1ヵ所あります。山間部・過疎地に位置しており、近くに回復期病院がありません。そのため、急性期を退院され「3ヶ月後に自宅に帰りたいです。」という方も多く入居されています。
リハビリテーションの特徴として様々な機器を取り入れています。老人保健施設は関わる時間が短いため、セラピスト以外の介護スタッフでも質の高い関わりができる取り組みを行っています。
CareWiz トルトを導入した背景について教えてください。
セラピストが多いことが特徴の反面、評価の得意・不得意が出てしまうことが課題と感じていました。経験や教育過程が異なるので、歩行評価でもセラピストにより足部が得意だったら足部を重点的に見てしまいますし、膝が得意なら膝を、バイオメカニクスが得意ならバイオメカニクスで語ってしまうという「セラピストあるある」があります。そのため、ベテランでも新人であっても評価を統一し、さらに視覚化できるものを取り入れることで利用者さんへのフィードバックの質を担保したいと考え、CareWiz トルトを導入しました。
フルリールむかわではCareWiz トルトをどのように使っていますか?
今は2つの使い方を主にしています。
1つ目は利用者さんとそのご家族に対してのフィードバックです。コロナ禍で家族がなかなか会えない状況なので、ケアマネジャーさんを通して解析結果を渡し、今の状況の把握をしていただいております。
2つ目は老人保健施設だけでなくデイサービスとも連携してCareWiz トルトを使用しています。そのため、デイサービスのご利用者さんの歩行も見られるので、管理側としては非常に助かります。以前、老人保健施設に入所していた利用者さんがデイサービスに通っているため、継続して歩行状態を把握できます。入所していた時との歩行状態を比較して、状態が良くなっていれば良いですし、「歩行が不安定になってきたな」「機能が低下しているな」という時には老人保健施設に入所していただき、短期集中のリハビリ合宿を行うことも可能です。「もっと重点的にリハビリをすれば安心して生活できるのに」という方を気づけるようになりました。

CareWiz トルトを導入してどのような変化がありましたか?
利用者さんからは歩行状態の変化が見える化されたことで「歩行が安定してきてるんだね。」「このリハビリを続けていけば良いんだね。」などモチベーションが向上している声をいただいています。リハビリテーションのフィードバック場面でも「この数値が落ちてますね、ここでふらつくのは足関節が硬いからですよ。」など正直かつ具体的に説明することで、今までにも増して課題を共有しやすくなりました。
また、デイサービスの新規見学には必ず歩行動画を撮影するようにしており、体験に来られた方からは「今の状態がよくわかりました。」「こんな歩き方をしていたんだ。」などの声をいただいており、以前はできなかった見学や体験利用でも歩行状態の見える化ができるようになりました。

今後取り組みたいことを教えてください。
老人保健施設の問題ですが、利用者さんが入所されるとケアマネジャーさんから手が離れてしまうことを課題と感じています。入所した後は利用者さんがいつ戻ってくるかわからず、入所後4~6か月くらいケアマネジャーさんが状態を把握できないことが多くあります。
退所が近づいた頃に、ケアマネジャーさんと利用者さんはカンファレンスで一度会うだけで、退所してしまうことも多いです。そうすると想定していたような状態ではなかったということがあります。家族も久しぶりにあって「え?こんな状況だと思わなかった」「トイレの回数が多くて…。」など自宅復帰したとしても1週間で、また老健に帰ってくるケースもありました。そのため、ケアマネジャーさんや家族が利用者さんとの接点を無くさないツールとしても非常に良いかなと感じます。
また、スタッフ間共有や施設間共有を促進して、利用者さんを法人全体として状態把握ができるツールになれば良いなと感じます。
法人内であっても、情報共有は電話や用紙を送るだけになりがちです。CareWiz トルトを使用することで、動画でも情報共有をするという文化を作っていきたいです。
今後CareWiz トルトを知り合いの方におすすめするとしたら、一番のメリットとして何とお伝えしますか?
まずは業務改善として活用できます。今まで時間の掛かっていた歩行測定のオペレーションがとても楽になることと、紙でのやりとりだったものが動画とAI解析で可能になるので、素早く質の高い連携が可能となります。
また、評価の統一ができることでリハビリテーションのスタートラインを合わせられることも魅力です。以前であればセラピストは病院で下積み経験を重ねて介護保険分野で働くことが多かったのですが、今は養成校卒業後すぐに介護保険分野で働く若いセラピストが多くなってきています。このような経験の浅いセラピスト、ひいては介護スタッフとも評価の部分で目線を合わすことができるのが大きいと感じます。